オススメ度

外国語対応

知床の概要・印象

知床は、貴重な生態系と手つかずの大自然が残る“日本最後の秘境”だ。

世界自然遺産でもある。

知床は、全長:約60km・幅:約9~26kmの半島となっている。

半島の中央を背骨のように貫く1500m級の山脈である知床連山と、山々を覆う深い原始の森、断崖絶壁が続く海岸線、多様な姿を見せる湖沼群などが雄大な自然の姿を見せてくれる。

生態系で言うと、遠くロシアのアムール川から流れ着く流氷が持ち込む珪藻類と、知床連山から流れ込む豊富な栄養によって、知床の海では大量のプランクトンが育まれる。

クリオネ

それによってプランクトンを餌エサとする大小の魚類が非常に多く繁殖し、またそれらの魚類を狙って鯨や海豚、鯱などの海生哺乳類や鳥類がたくさんやって来る。

そして川を遡る鮭や鱒は森の羆を大きく成長させる。

ヒグマ

上記のような、「海・川・陸に棲む生き物全体で独自の大きな食物連鎖構造が形成されていること」こそが、知床が世界遺産に登録されている理由だ。

知床は、知床連山を境として北側のウトロと南側の羅臼の2つのエリアに分かれる。

オホーツク海に面したウトロには、湖や滝などの多数の景勝地が点在しており、また大型のホテルから民宿まで多種多様の宿泊施設がある。

根室海峡に面した羅臼では、港に近い場所で鯨や海豚、鯱などの海生哺乳類を多数見ることが出来る。

そして野趣あふれる、無料の温泉が点在している。

新鮮なシーフードでも有名だ。

お勧め・特筆事項

流氷ウォーク

自然(ネイチャークルーズ・散策・景観)、グルメ、温泉などを楽しんでくれ。

  • 自然
    ネイチャークルーズが一番のハイライトだ。鯨・海豚・鯱・羆などの動物や鳥類などを船の上から観察することが出来る。
    知床五湖の散策も、素晴らしい景色を眺めることが出来るので大いにお勧めできる
    景観は、「知床峠」や 「羅臼国後展望塔」など高台にある展望台から知床連山、根室海峡、国後島などを一望することが出来る。
  • グルメ
    なんといってもシーフードだろう。
    知床は、オホーツク海と根室海峡という2つの海に面しており、新鮮で上質な魚介が揚がることで有名だ。
    君が大好きな鮭の水揚げ量ではなんと日本一。
  • 温泉
    海辺にある「相泊温泉」、「瀬石温泉」や、山の中にある「熊の湯温泉」など大自然の中で入浴できる無料の秘湯が羅臼側にある。

アクセス

流氷 バス停

知床は、“日本最後の秘境”だけあって、日本とは思えないほど交通は不便だ。

電車は知床の入り口の「知床斜里」までしかなく、バス路線も便数が少ない。

ツアーに申し込むか、レンタカーを借りる予定のない君はここには来ない方が良いだろう。

予算に余裕があれば、東京や札幌からの移動には飛行機を使うことをお勧めする。

飛行機

飛行機

ウトロは「女満別空港」が最寄りの空港となる。

羅臼は「中標津空港」が最寄りだが、非常に便数が少ない(※札幌から1日3便、東京(羽田)から1日1便)ので、「女満別空港」や「釧路空港」を利用する方が良いかもしれない。

電車

札幌から

JR「札幌駅」から特急・おおぞらに乗車、釧路でJR釧網線に乗り換え、「知床斜里駅」下車。

所要時間:7時間~7時間45分
料金:11,440円

バス

知床のバスに関する情報や予約は以下を参照してくれ。

札幌から

JR「札幌駅」から北海道中央バス「イーグルライナー号」に乗車し、知床内のバス停下車。

所要時間:6時間30分~7時間30分
料金:4,500~8,400円

※1日1便しかないが、札幌発:23時台/早朝:知床着 という夜行バスなので、ホテル代を節約することが出来る。

女満別空港から

「知床エアポートライナー」に乗車、知床内のバス停下車。

所要時間:約2時間15分。
料金:3,300円

知床内の移動

天に続く道

知床エリアでは「斜里バス」が、「知床斜里駅」「ウトロ温泉バスターミナル」「知床五湖」「羅臼」などを結ぶ路線バスを1日3~6便運行している。

なお、「知床浪漫ふれあい号」という観光地を巡るバスが4月末~10月末まで運行されている。

4つのコースがあるが、それぞれ1日1便しかないので、使い勝手はあまり良くない。

冬は雪が深く積もるので、多くの道が通行止めになる。

※「知床横断道路」は1月上旬~4 月下旬まで通行止めになるので、ウトロから羅臼へは知床半島の根元にある国道 2 4 4 号を経由するという遠回りをしなければ行くことが出来ない。

※4月下旬~5月、10~1月上旬も気温や路面状況により、夜間に通行規制が行なわれる。

※路面は凍結して危ないので、冬はレンタカーを借りない方が良いだろう。

観光

引用:AAAA

クルーズ、遊覧船、散策等、知床でのおすすめの観光スポットを以下で紹介する。

ネイチャークルーズ

羅臼の沖合の海は、一年中多種多様な動物が集まる場所で、ほぼ一年中ネイチャークルーズが催行されている。

クルーズ船
画像出典:北海道観光振興機構(画像の再利用は禁止されています)

港を出てすぐの狭い海域で鯨や海豚、鯱などの海生哺乳類が観察できるという世界有数のウォッチングスポットでもある。

※冬期は、海生哺乳類を見ることは出来ないが、流氷&バードウォッチングを楽しむことが出来る。

知床の海では、遠くロシアのアムール川から流れ着く流氷が持ち込む珪藻類と、知床連山から流れ込む豊富な栄養によって、大量のプランクトンが育まれる。

それによってプランクトンを餌エサとする大小の魚類も非常に多く繁殖し、それらの魚類を狙って鯨やイルカ、シャチなどの海生哺乳類や鳥類がたくさんやって来るのだ。

ネイチャークルーズで一番人気の動物は、やはりマッコウクジラだ。

マッコウクジラは、体長約12~18m、体重25〜50tと、歯のある動物としては世界最大。

有名なアメリカの冒険小説「白鯨」のモデルにもなった鯨でもある。

潜水艦のような外形で、体の3分の2が頭というちょっと笑える姿をしている。

彼らが潮を噴き上げたり、豪快に尾びれを上げたりするダイナミックな姿を船の上から間近で見るという素晴らしい体験は、他では中々得難い。

ちなみに初夏には “海が真っ黒になるくらい”の数のハシボソミズナギドリShort-tailed shearwater)の大群を見ることも出来る。

※彼らは南半球のタスマニアから32,000km(=地球1周の約80%)もの距離を移動してわざわざやって来る。

以下は動物や鳥類のピークシーズンと遭遇率なので、クルーズに参加する際の参考にしてくれ。

※確率の方はざっくりした平均値だ。

動物時期遭遇する確率
マッコウクジラ6-9月40-80%
ミンク鯨5-7月15-30%
シャチ4-7月30-50%
イシイルカ5-10月70-95%
ハシボソミズナギドリ5-8月20-80%
オオワシ2-3月90%
オジロワシ2-3月90%

また、標高1,661mの羅臼岳を最高峰とする知床連山や、国後島など、船の上から眺める景色も雄大で素晴らしい。

なお、夏場でも海上はかなり寒いので、パーカー等長袖の羽織るものを持参すべし。

ネイチャークルーズは事前の予約が必要なので、多言語対応の以下のサイトからトライしてみてくれ。

オオワシ
予約サイト知床・羅臼観光船はまなす
ベルトラ
ホエール・バードウォッチング
流氷&バードウォッチング
場所北海道目梨郡羅臼町本町
アクセス各バス路線:「羅白営業所」から徒歩13分。
車:「中標津空港」から65分。
休日10月中旬〜1月下旬、3月中旬〜4月下旬
時間各社とも午前と午後に1回ずつ催行
所要時間は2時間30分
料金大人8,800円、子供(3歳~小学生)4,400円

ヒグマウォッチング

観光船 ヒグマ

小型船で知床岬を海岸沿いに航行するクルーズ。

知床の海を熟知する漁師が、船を巧みに操って、見どころに近づいていく。

特にルシャ湾では羆に出会う確率が90%以上だ。

小型船は浅瀬まで行くことが出来るので、運が良ければ羆をかなり近くで見ることが出来る。

また、すぐ近くから眺める奇岩や断崖などの自然が造り出した風景も迫力があって良い。

ヒグマウォッチングには、事前の予約が必要なので、以下のサイトからトライしてみてくれ。

予約サイト知床半島クルージング詳細
知床岬ヒグマクルーズ
休日10月中旬〜4月中旬
時間各社とも午前と午後に1回ずつ催行
所要時間は2〜3時間
(※コースにより異なる)
料金大人6,000〜10,000円、子供3,000〜5,000円
(※コースにより異なる)

遊覧船

断崖絶壁が続く知床半島の西海岸を大型のフェリーで見て回るクルーズだ。

ウトロ港を出航し、知床岬で折り返す3時間45分の「秘境知床岬航路」(※6~9月運航)と、カムイワッカの滝で折り返す1時間30分の「カムイワッカの滝航路」(※4月下旬~10月下旬運航)の2コースがある。

このクルーズ、日本人には人気だが、外国人にはあまりお勧めできない。

結構料金が高いにもかかわらず、海岸線をひたすら行くだけで、特に面白いものは見えず、退屈だ。

スピーカーからは始終日本語でのアナウンスやへんてこな歌(※日本語のブルース)がかかり、やかましいことこの上ない。

外洋航海のため結構揺れるので、船酔いしやすい君は高い確率で吐くだろう。

とまあ、「知床観光船おーろら」のビジネスを邪魔するような、否定的ななことばかり書いたが、陸上からは見られない景観をじっくり眺めることが出来るという良い点もある。

もし乗船するのであれば往きは、海岸線により近く眺めが良い、右側(進行方向)に座るべし。

知床観光船おーろら

断崖絶壁が続く知床半島の西海岸を大型のフェリーで見て回るクルーズだ。 ウトロ港を出航し、知床岬で折り返す3時間45分の「秘境知床岬航路」(※6~9月運航)と、カムイワッカの滝で折り返す1時間30分の「カムイワッカの滝航路 […]

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散策

知床五湖は、知床半島の羅臼岳と知床硫黄山の麓にある、緑豊かな原生林に囲まれた5つの湖だ。

綺麗な湖面に1,500m級の知床連山や樹木などが静かに映し出される風景は神秘的、かつ癒される感じだ。

また、ここでは海・森・山・湖などの美しい景色を一度に楽しむことが出来るのが良い。

多くの野生動物の生息地でもあり、運が良ければヒグマや蝦夷鹿、蝦夷栗鼠などを見ることもできる。

毎年、雪がない4月下旬~11月初旬の間に開放されている。

 

知床五湖を散策して楽しむには2つのコースがある。

1つ目は「高架木道」。

この高さ3~5mの高床式の遊歩道は、よく整備されており安全で歩きやすい。

そしてなんと無料で楽しむことが出来る。(※車で来た場合は、駐車料金500円/1台あたり が必要ではあるが)

知床五湖のうち、一湖までにしか行くことが出来ないが、展望台から湖に映る知床連山や遥かに広がるオホーツク海などの素晴らしい景色は見ることが出来る。

往復1.6kmで所要時間は約40分ほどなので、観光する時間が限られている人にはこちらがお勧めだ。

もう一つは「地上遊歩道」。

ヒグマがいる地上を歩くことになるので、事前に遊歩道の入り口付近にある「知床五湖フィールドハウス」でレクチャー(受講料250円/予約不要/所要時間約10分)を受ける必要がある。

レクチャー後は、全ての湖を巡る約3kmの「大ループコース/所要約1時間30分)」 か、二湖と一湖を巡る「小ループコース(所要約40分) 」の2つのルートのうちどちらかを選択し、個人で散策することができる。

ただしヒグマの活動期(5月10日~7月31日)は危ないのでプロのネイチャーガイドと一緒でないと回ることは出来ない。

「大ループコース」の場合は、事前に以下のようなサイトからツアー会社に申し込みをしておく必要がある。

「小ループコース」は、事前予約は出来ず、当日「知床五湖フィールドハウス」で申し込む必要がある。

「大ループコース」は約5,000円、「小ループコース」は2,500円の料金がかかるが、プロのガイドのレクチャー付きで、ヒグマの痕跡を観察するなど、安全に大自然を楽しむことができる。

知床五湖

知床五湖は、知床半島の羅臼岳と知床硫黄山の麓にある、緑豊かな原生林に囲まれた5つの湖だ。 綺麗な湖面に1,500m級の知床連山や樹木などが静かに映し出される風景は神秘的、かつ癒される感じだ。 また、ここでは海・森・山・湖 […]

知床五湖

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展望

知床峠

知床峠

オホーツク海側のウトロと模室海峡側の羅臼を結ぶ知床横断道路のほぼ中間にある標高738mの峠。 雄大な絶景を楽しめるフォトジェニックなスポットとして人気だ。 真正面に知床連山の最高峰である羅臼岳を、眼下には深緑の樹海を、彼 […]

知床峠

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羅臼国後展望塔

海抜167mの高台にある展望台で、非常に眺めが良い。 羅臼市街や、知床連山、根室海峡、約25km先にある国後島などを一望することが出来る。 無料の望遠鏡が設置されているのも良い。

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エンターテイメント

セセキ温泉
画像出典:北海道観光振興機構(画像の再利用は禁止されています)

温泉

このエリアの温泉は、設備は整っていないが、大自然の中にあり、野趣満点のものが多い。

相泊温泉

日本最東端の温泉。 海岸の砂利を掘り、そこへ木枠で囲った湯船を設置しているだけの非常に“ワイルドな”露天風呂だ。 当然、海を眺めながらお湯に浸かることができ、気分は良い。 ただ、売店など何もないので、入浴用具などは持参す […]

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熊の湯温泉

羅臼川の辺に地元の人たちが作った開放感満点の露天風呂。 原生林の中に男女別々の2つの岩風呂がある。 男湯は非常に広く、囲いがないので渓流や原生林を眺めながらの入浴が楽しめる。 女湯には囲いがあり、覗かれないのは良いが、後 […]

熊の湯

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瀬石温泉

海岸の波打ち際に湧いている野趣満点な露天風呂で、干潮時しか入浴できない。 ※満潮時には湯船が海に沈んでしまう。 岩で造られた湯船に浸かれば海と一体になったような気分になる。 晴れていれば、国後島を見ることも出来る。 なお […]

セセキ温泉

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グルメ

オホーツク海と根室海峡という2つの海に面した知床は、新鮮で上質な魚介が揚がることで有名だ。

特に君たち外国人が大好きな鮭の水揚げ量では日本一。

知床の鮭は、肉厚で脂の乗りが良い、つまり美味いので是非食べろ。

鮭は、産卵期を迎える9~11月頃が旬だ。

その他、雲丹や喜知次など、 季節毎の新鮮な魚介を使った海鮮丼や定食も大いにお勧め出来る。

以下は魚介系の代表的な人気店だ。

ウトロ漁協婦人部食堂

漁師の奥さんたちが切り盛りする食堂で、港に水場げされてすぐの旬の魚介を使った料理が大人気。 行列は必至だ。 日本人観光客には「雲丹丼」が一番人気があるが、君は「鮭親子丼を注文すると良いだろう。

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