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太宰府天満宮の概要/印象

太宰府天満宮は、学者・政治家・詩人と多方面で活躍した後、左遷されてこの地で亡くなった菅原道真(845〜903)を祀る神社だ。

死後、「学問の神様」となった菅原道真を祀る天満宮は、日本全国になんと約12,000もあるが、ここ太宰府天満宮がその総本宮。

「学問の神様」に祈ることで、試験合格や成績アップを果たそうとたくさんの学生たちや親たちが訪れている。

太宰府天満宮では、学業成就以外にも、厄除けや家内安全といったご利益もあると信じられている。

なお、太宰府天満宮には年間約10,000,000人もの参拝客が訪れるが、特に正月の参拝客数は多く、約2,000,000人。

この数字は九州では一番で、日本全体でも7〜8位に位置する。

以下で太宰府と太宰府天満宮についての歴史を記す。

弥生時代(from 1000 BC to 250AD)と古墳時代(from 250 to 600 AD)には、太宰府がある玄界灘沿岸は、“アジア大陸との窓口”という要衝であった。

そのため、7世紀後半、古代の日本国家の出先機関である大宰府が置かれ、以降、大宰府は九州全体の軍事・外交・文化の中心地となった。

その後、平安時代(794〜1185年)に入ると大宰府の権限が強化されて交易面でも大宰府の重要性が増し、10世紀から13世紀までは中国や朝鮮など海外との貿易が盛んに行われた。

ただし、1185年に武士の政権である鎌倉幕府が成立したため、大宰府の政治的機能は失われた。

13世紀以降も太宰府はそこそこ繁栄していたが、付近を治めていた大名が滅亡した戦国時代(1467〜1590年)末期からは太宰府天満宮とその門前町のみが参拝客で賑わうという静かな農村地帯となる。

 

太宰府天満宮は、905年に菅原道真の墓所に祠廟が建てられたのが起源だ。

919年に菅原道真の祟りを恐れた醍醐天皇(885〜930年)の勅令により社殿が造営された。

以降、朝廷を中心とした信仰を集めるが、人気が一般的になるのは江戸時代(1603〜1868年)初期にこのエリアの領主となった黒田氏が太宰府天満宮の整備や社殿の修復・造営を常に行なうようになってからだ。

以降は九州を代表する神社として多くの参拝客を集め、現在に至っている。

 

ここで太宰府天満宮に祀られている菅原道真(845〜903年)という人物について説明をしたい。

彼は「学問の神様」として日本では非常に有名でかつ尊敬されている人物だ。

学者の家に生まれ、幼少期より神童であった彼は学者の最高位である文章博士になるほど学問に秀でていた。

下級の貴族であったが、その才能と実力が認められ、右大臣になるという異例の出世を遂げる。

そのため、当時の最高権力者であった藤原氏に警戒され、無実の罪を着せられて、大宰府に左遷されてしまう。

2年後に菅原道真は失意のうちに死去するが、その直後から各地で天変地異が頻発し、そして立て続けに皇族や藤原氏の怪死事件や病死が起こる。

人々は「菅原道真の祟りだ」と恐怖に慄くが、決定的だったのは930年の宮殿への落雷だ。

貴族や警備の武士など7名が落雷と火災で亡くなってしまう。

これに恐怖した醍醐天皇(885〜930年)の体調が急激に悪化し、これまた数ヶ月後に亡くなってしまう。

この後、菅原道真の霊をなだめるため、彼を祀る神社である天満宮が各地に立てられ、そして祟りは起こらなくなった。

 

なお、太宰府天満宮の境内では、四季折々の草花を楽しむことができる。

特に梅が有名で、菅原道真を慕って京都から飛んで来たという伝説がある飛梅をはじめ、約6000本の梅が1月下旬~3月下旬頃に咲き誇る。

その他、桜、樟、花菖蒲、紫陽花、菊、紅葉なども素晴らしい。

 

あと、400mほどの参道には、お土産店やカフェ、ファストフードなど約90の店舗が連なっており、賑やかで歩いていて楽しい。

飲食系の店は実力のある、レベルの高い店が多いのもこの参道の特徴だ。

歴史や文化を体験しながら学べる九州国立博物館も近くにある。

お勧め・特筆事項

太宰府天満宮でお参りして、参道でグルメや土産物の買い物などを楽しんでくれ。

それ以外に特にやることはない。

太宰府天満宮へのアクセス/データ

鉄道

「西鉄福岡駅」から西鉄・天神大牟田線に乗車、「西鉄二日市駅」で西鉄・太宰府線に乗り換え、「太宰府駅」下車、徒歩5分。

所要時間は約35分。

運行頻度は1時間に4〜5本。

バス

「博多バスターミナル」から西鉄・太宰府ライナーバスに乗車、「太宰府」バス停下車、徒歩5分。

所有時間は約45分。

運行頻度は1時間に1〜3本。

※西鉄・太宰府ライナーバスは途中で福岡空港にも立ち寄る。

太宰府天満宮

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観光

参拝

以下、入り口から順路に沿って主な見所を紹介する。

鼓橋・平橋

「心」という漢字に形に造られた心字池に架かる3つの神橋で、順に太鼓橋・平橋・太鼓橋となっている。

3つの橋はそれぞれ「過去」「現在」「未来」を表しており、これらの橋を渡ると心身が清められるとされる。

STEP
1

手水鉢

この手水鉢は、近くの霊峰・宝満山から切り出された一枚岩で造られており、約6m×約4m×約2mの大きさは日本最大級だ。

ここで手と口を洗い清めて本殿へ行くのがマナーだ。

STEP
2

楼門

本殿の手前にある鮮やかな朱塗りの門で、檜皮葺の入母屋造り。

池側から見ると二重屋根、本殿側から見ると一重屋根という非常に珍しい造りとなっている。

この楼門は、菅原道真の曾孫である菅原輔正(925〜1010)が創建したもので、何度か焼失したが、その度に再建されている。 ※現在の楼門は1914年に再建されたもの。

STEP
3

御神牛

菅原道真が牛と縁が深かったことから、境内には多数の御神牛が置かれている。

特に本殿の手前、手水鉢の隣にある御神牛は、手で撫でた部分の病気が治るというご利益があると信じられている。

撫でると“賢くなれるはずの頭の部分はおそらく何千万回も撫でられたことでピカピカに光っており、いかに世の中に頭が良くない人がたくさんいるかということを物語っている。

STEP
4

本殿

朱色と金色に彩られたきらびやかな本殿は、五間社流造で檜皮葺の屋根を備えた風格ある建物だ。

905年に菅原道真の墓所に祠廟が建てられ、その後919年に菅原道真の祟りを恐れた醍醐天皇(885〜930年)の勅令により社殿が造営された。

その後兵火などにより数度焼失したが、有力な大名だった小早川隆景(1533〜1597年)が5年かけて再建し、1591年に完成させたのが現在の本殿だ。

築400年以上を経過した現在でも桃山時代(1573〜1603)の豪壮華麗な建築様式を見事に伝えている。

STEP
5

天開稲荷神社

九州最古の稲荷神社。

「菅公歴史館」/太宰府天満宮の本殿・北側 や、いくつかの茶屋の先(右手)の急な石段を10分くらい上ったところにある。

開運と幸福をもたらす神様である「宇迦之御魂神」が祀られている。 この神社の本殿と本殿の裏手にある「奥の院」は “最強のパワースポット” とも呼ばれる場所で、お参りすると「運気がぐんぐん上昇する」というご利益があると信じられている。

STEP
6

参道

「西鉄太宰府駅」から太宰府天満宮へと続く400mほどの参道には約90の店舗が連なっている。

お土産店やカフェ、ファストフードなどが中心だが、綺麗な店が多く、通りも賑やかなので歩いていて楽しい。

飲食系の店は実力のある、レベルの高い店が多いのもこの参道の特徴だ。

ラーメン、明太子や高級苺の「あまおう」など福岡の特産品を使った料理やスイーツを楽しむことが出来る。

なお、参道にあるスターバックスは、東京オリンピックのメインスタジアムをデザインした世界的な建築家である隈研吾が設計した店だ。

木組み構造が斬新な内装で、一見の価値がある。

梅を愛していた菅原道真の影響で、太宰府天満宮には約200種・約6,000本もの梅が植えられている。

1月下旬~3月下旬頃の開花期間には、芳しい梅の香りや可憐な花を楽しむことが出来る”梅の名所“となる。

※見頃時期は2月中旬~3月中旬頃

本殿に向かって右にある梅の木が「飛梅」で、御神木かつ、大宰府天満宮のシンボル的な存在だ。

この梅の木は、菅原道真を慕って一夜のうちに京都から飛んで来たという伝説を持っており、約6,000本の梅の木の中で、毎年真っ先に花を咲かせる。

なお、太宰府天満宮には梅をモチーフとした意匠が建物の屋根や柱、灯籠などいたるところに施されている。

その他花木

境内では梅以外にも数多くの季節の花木を楽しむことが出来る。

以下は主な花木と見頃の時期だ。

  • 桜:3月下旬~4月中旬
  • 樟の若葉:4月中旬~5月下旬
  • 花菖蒲:6月初旬~6月中旬
  • 紫陽花:6月初旬~6月下旬
  • 菊:11月初旬 〜11月下旬
  • 紅葉:11月中旬~12月上旬

エンターテインメント

博物館

九州国立博物館

日本に4つしかない国立博物館の一つ。(※その他は東京・奈良・京都にある) 「日本文化の形成をアジア史的観点から捉える」というコンセプトに基づき、アジア諸地域との文化交流の歴史を5つのテーマに分けてわかりやすく紹介している […]

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グルメ

梅ヶ枝餅

太宰府名物のスイーツだ。

米粉を水で溶かし、それに餡を包んで焼いた餅で、外側はパリパリ、中はもっちりとしており、非常に美味しい。

名前の中に梅と入っているが、梅の味や香りはしない。(※が、皮に梅の花の焼き印が入っている)

参道沿いの約30店舗で売っているが、境内にある茶屋でも食べることが出来る。

カルテルが結ばれているようで、どこで買っても1個120円だ。

茶房きくち

太宰府天満宮への参道にある梅ヶ枝餅の名店。 この店では、小豆や餅米などに厳選された上質な素材を使用しており、独自製法で梅ヶ枝餅を作っている。 特に餡は上品な甘さで、口溶けも滑らか。 2階は落ち着いた雰囲気のカフェになって […]

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