Saitama
小川菊
1807年創業の老舗の鰻料理店。 7代に渡って受け継がれた秘伝の甘辛いタレが塗られ、最高級の炭である紀州備長炭を使って焼き上げられた鰻は非常に美味しい。 皮が香ばしく、身は口に入れるとホロリとくずれるほどふっくらとしており、上品な味わいだ。 一番人気の鰻重には、ふんだんに鰻の蒲焼きが盛り付けられ、ボリュームがある。 その他、う巻などの一品料理も充実しており、鰻のコース料理もある。 店は約100年前に建てられた木造の大きな一軒家で非常に趣があり、店内も和の雰囲気に満ちていて、良い感じだ。 ランチタイムには行列が出来ることが多いので、時間をずらすか、予約を取っておいた方が良い。(※予約ができる時間帯は11時からのみ)
川越大師 喜多院
喜多院は、慈覚大師(794〜864年)という非常に位の高い僧によって830年に創建された天台宗の名刹。 歴史的に価値のある建物や美術・工芸品を数多く有し、また素晴らしい庭があることで有名だ。 桜と紅葉の名所でもある。 少し喜多院の歴史について語る。 創建から長らくは無量寿寺という名前の寺であったが、1612年に高僧の天海僧正が住職となった際、喜多院と寺名が改められた。 天海僧正は、徳川幕府の創始者で絶大な権力を持っていた徳川家康(1543〜1616年)から大きな信任を得ていたため、喜多院は徳川幕府にとって特別な存在となった。 1638年に起きた川越エリアの大火で喜多院の建物はほぼ全てが焼失してしまうが、当時の将軍であった徳川家光(1604〜1651年)はすぐさま喜多院の再建にとりかかり、そして江戸城にあった別殿を移築して、喜多院の客殿と書院等としたほどの厚遇を見せた。 なお、この客殿と書院は、江戸城にあった際は、それぞれ「徳川家光の誕生の間」であり、女性の権力者として日本人の間では有名な「春日局の化粧の間」であった。 ※1657年に江戸城が焼失したため、この喜多院の客殿と書院が、創建時の江戸城の唯一の遺構となっている。 境内にある五百羅漢は、1782年から約50年間にわたり建立されたもので、表情の豊かな石の仏像が538体も鎮座している。
スターバックス・川越鐘つき通り店
スタバが対外発表した「2020年に訪れるべき世界中のスタバ20選(20 Starbucks stores to visit in 2020)」に、日本で唯一選ばれたのが、この「川越鐘つき通り店」だ。 全体的に和の要素が取り入れられており、木の温もりも感じさせ、雰囲気が素晴らしい店だ。 外観は蔵造りの町並みに溶け込むようにデザインされており、店内は和モダンな趣き。 天井が高く、大きなガラス窓から自然光が降りそそぐ店内は開放感があり、襖絵など日本の伝統を感じさせるアート作品も飾られている。 店内の奥には緑豊かな日本庭園があり、それを眺めながら過ごすことができるテラス席もある。
川越熊野神社
1590年に、日本有数の格式と古い歴史を持つ熊野本宮大社から分祀された由緒ある神社で、「蔵造りの町並み」の入り口付近にある。 建物や敷地はかなり小さく、郊外型のコンビニくらいの大きさなので、あっという間にお参りが出来て便利だ。 夫婦である伊弉諾尊と伊弉冊命が主祭神として祀られていることから、縁結びや恋愛に霊験あらたかだと日本人の間で強く信じられている。 本殿のすぐ手前にある宝池で、洗って清めたお金を財布に入れて大切にすると、金持ちになれると言われている。 何でも信じるほど純粋な割に、欲の皮が突っ張っている君は並んでお金を洗うと良いだろう。 なお、参道には、小石がぎっしりと詰められた「足踏み健康ロード」があり、靴を脱いでその上を歩くと足つぼマッサージができる。(※タダだが、君が不健康だとものすごく痛い)
菓子屋横丁
菓子屋横丁」は、全長約80mの風情ある石畳の路地で、レトロな感じの菓子屋や和風スイーツ店が約20軒並び、菓子の甘い香りとノスタルジックな雰囲気が漂っている。 煎餅・カルメ焼・飴玉などの昔ながらの駄菓子や、さつまいものソフトクリームや饅頭などのスイーツを買って食べ歩くことが出来る。 菓子屋横丁の真ん中あたりにある「松陸製菓」では、約1mと驚くほど長い麸菓子を売っている。 SNS映えするし、価格も600円と高くなく、味も甘くて美味しいというのは良いのだが、持ち歩くのが面倒なので、写真を撮ったら友人と分けてすぐ食べた方が良い。
川越氷川神社
約1,500年前に創建された、長い歴史と高い格式のある神社だ。 主祭神は素戔嗚尊で、他に素戔嗚尊の妻と子供、妻の両親という合計五柱の神々が祀られている。 これらの神々は一つの家族で、そのうち夫婦が二組であることから、川越氷川神社は「家族円満・夫婦円満・縁結び」に大いにご利益があるとして人々から信仰されている。 特に縁結びが非常に有名で、多くの女性たちが良縁祈願に訪れる。 また、370年以上の歴史があり、毎年10月中旬に約1,000,000人もの観客が集まるほど人気がある川越氷川祭はこの神社の例大祭だ。 1849年に竣工した現在の本殿の建物には、全面に精巧で素晴らしい彫刻が施されている。 また鳥居は高さ約15mと木製の鳥居としては日本最大級の大きさで、扁額の文字は、日本人の間では非常に有名で人気のある幕末の武士、勝海舟(1823〜1899年)によるものだ。 川越氷川神社がユニークなのは、歴史と格式のある神社であるにもかかわらず、絶えず新しい取り組みを行なっているところだ。 メインの参拝客である女性たちが喜びそうな、楽しくてフォトジェニックな企画やイベントを多数打ち出し続けている。 参拝客に喜んでもらい、より信仰心や親しみを持ってもらうとともに、コツコツとお金を稼いで、神社の維持/発展にそのお金を使おうとする前向きな姿勢と努力には感心してしまう。 新しい取り組みに関しては、具体的には以下だ。 <絵馬トンネル> 参拝客の願いが込められた絵馬が約20mに渡って吊り下げられ、まるでトンネルのような形となっている。 本殿の脇にあり、フォトジェニックだ。 <鯛みくじ> 日本では縁起が良い魚である鯛をモチーフにしたおみくじを、小さな釣り竿を使って釣り上げるのが楽しい。 <縁結び風鈴> 「天の川に恋の願いが届くように」というロマンティックなテーマで、夏季(7月上旬〜9月上旬)限定で行われる祭事。 この時期、たくさんの参拝客たちが(主に恋の)願い事を書いた短冊を風鈴にかけて祈る。 色鮮やかなガラスで出来た2,000個の風鈴が、涼やかな音を立てながら風に揺れる様子は、綺麗で心が洗われる。 君がすれっからしだったとしてもきっと恋をしたくなる。
川越一番街
川越一番街は、約400mの風情がある通りで、川越で最も賑わうエリアだ。 江戸時代(1603〜1868年)後期から明治時代(1868〜1912年)にかけて建てられた30棟余りの蔵造りの建物が立ち並んでいる。 ※通りが歩行者専用となっておらず双方向に車が通るのでちょっと落ち着かないのが難点。 かつて東京に多数あった蔵造りの建物は、関東大震災 (1923年)や第二次世界大戦時のアメリカ軍による空襲によって失われてしまったため、川越の蔵造りの町並みはより一層重要な歴史的遺産となっている。