東京都内最古の寺。

「あさくさでら」ではなく、「せんそうじ」と読む。

 

628年に漁師の兄弟が近くの隅田川で「聖観世音菩薩像」を網で掬い上げた。その観音像を安置するために作られた寺が浅草寺だ。942年に、この辺りを領地としていた有力な武将の平公雅が七堂伽藍を整備し、雷門や宝蔵門などを創建した。

以降も霊験あらたかな寺として、主に武将たちから崇敬を集め、特に徳川幕府からは厚い庇護を受けて繁栄した。

3代将軍・徳川家光(1623〜1651年)の援助によって1648年に五重塔、1649年に本堂が再建された後は災害による被害はなかったが、1945年3月10日のアメリカ軍による「東京大空襲」でほとんど全ての建物が焼失してしまった。

ちなみにこの「東京大空襲」では浅草を中心とした東京の下町が爆撃対象となり、100,000人以上の民間人が殺されている。

第二次大戦後、皇室や実業家、一般人からの寄付を得て1950年から1960年にかけて再建・復興され、以前の賑わいを取り戻して現在に至っている。

正月の初詣では毎年約2,800,000人もの参拝客(全国4〜5位)が訪れ、大混雑する。

 

以下は浅草寺拝観の順路だ。

  1. 雷門
    浅草寺の総門で、切妻造の八脚門。
    雷神像と風神像が左右に位置し、大きなちょうちんが中央に吊り下がっているのが特徴の大きな門だ。
    見た目にインパクトがあり、非常にわかりやすいので、ガイドブックの東京紹介ではよくこの雷門の写真が使われている 。
    正しい観光客はここでまず写真を撮るべきだろう。
    雷門は942年の創建以降、焼失と再建を繰りかえした。
    1865年に焼失した後は長く仮設の門だったが、1960年にPanasonicを創業した実業家の松下幸之助(1894〜1989年)の寄進により鉄筋コンクリート造で再建された。
    「雷神像」は門に向かって左手に立ち、雷太鼓を背負っている。
    風神像は門に向かって右手に立ち、風を起こす大きな袋を持っている。
    二つの像とも高さは2.1m〜2.2mで躍動感にあふれている。
    「大ちょうちん」は高さ約3.9m、幅約3.3m、重さ約700kgで、ちょうちんの底には“雲を呼び雨を降らす力を持つ”といわれる龍の彫刻が施されている。
    なお、門の裏側には「金龍/女神」と・「天龍/男神」の像が安置されている。
  2. 仲見世通り(なかみせどおり)
    「仲見世(なかみせ)通り」は、浅草寺までの250mある参道の両脇にあるショッピング・アーケードで、300年以上の歴史がある日本最古の商店街だ。
    約90の店があり、大勢の観光客でいつも大賑わいで“お祭り状態”の楽しい雰囲気だ。
    日本土産になりそうな伝統的な製品を扱う店も多いが、100円〜300円くらいで楽しめるスナックやスイーツ(※揚げまんじゅう、だんご、甘酒、せんべい など)をあちこちの店で売っているので、是非トライすべし。
  3. 宝蔵門
    浅草寺の正門で、高さ21.7mの入母屋造の大きな二重門だ。
    元々は「仁王門」という名称だったが、門の上層部に寺宝である「元版一切経などが収蔵されていることから1964年に「宝蔵門という名前に変わった。
    ここでは2体の仁王像が左右に位置し、雷門と同じく大きなちょうちんが中央に吊り下がっている。
    門の裏(左右2箇所)には、高さ 4.5m・幅4.5m、重さ500kgという巨大なわらじも飾ってある。
    正しい観光客はここ宝蔵門でも写真を撮らないといけない。
    宝蔵門は1945年に「東京大空襲」で焼失した後、1964年に五つ星ホテル「ホテルニューオータニ」などを創業した実業家の大谷米太郎(1881〜1968年)の寄進により鉄筋コンクリート造で再建された。
    なお、巨大なわらじには魔除けの意味があり、10年おきに新品が奉納されている。
    門周辺からはスカイツリーがきれいに見える。
  4. 五重塔
    高さ53mの仏塔で、朱色の美しい建物で、ライトアップ(日没から23時まで/毎日)されるとなかなか幻想的な雰囲気になる。
    最上階にはスリランカの寺院から1966年に移された仏舎利が納められている。
    五重塔は942年に創建されたが、後に焼失し、1648年に再建された。
    その建物も1945年の「東京大空襲」で焼失したため、1973年に鉄筋コンクリート造りで再建された。
  5. お水舎
    本堂の正面右手にある、1964年に建立された手水鉢。
    中央に凛々しく立つ「沙竭羅龍王像」を取り囲む8体の龍の口から流れる水で、お参りの前に身を清める。
    柄杓1杯の水で、左手、右手、口、柄杓の順に清めるのが作法だ。
    天井に描かれている墨絵の龍も忘れずにチェックしよう。
  6. 常香炉
    本堂の前にある身を清めるための香炉。
    この煙を体の悪い所にかけると良くなるらしいので、君も頭や顔にかけてみてはどうだろうか。
    線香は隣の授香所で1束100円で売っているが、ほとんどの人は買わずに誰か他人が立てた線香の煙を使っている。
  7. 本堂
    ご本尊の「聖観世音菩薩を祀っている、高さ29.4m、間口34.5m、奥行32.7m のかなり大きな建物だ。
    入母屋造だが、約72,000枚の瓦を使った急勾配の屋根が特徴的だ。
    1945年の「東京大空襲」で焼失した後、1958年に再建された。
    建物内部の天井には、三面の大きな絵が描かれており、中央が「龍之図」、左右が「天人之図」だ。
    忘れずチェックしてくれ。
    ここでは願いごとをしよう。
    浅草寺は、「すべての願い事が叶う」というご利益がある場所として知られている。
    大きな「お賽銭箱」にお金を投げ入れた後に合掌して祈るだけで、本当に願いごとが叶うような気がするので不思議だ。
  8. 影向堂
    本堂の北西(※左側奥)に位置する寄棟造りの建物で1994年建立とかなり新しい。
    「聖観世音菩薩と「影向衆」と呼ばれる観音様に協力する仏たち、および七福神の一人である大黒天が祀られている。
    なお、影向堂の左に建つ六角堂は1618年の建立で、境内最古の建物だ。
  9. おみくじ
    100本の棒が入った筒から1本を選び、そこに書かれた数字の引き出しの中にある紙を受け取るという日本古来の「観音百籤」というスタイルのおみくじだ。
    ただ、浅草寺のおみくじは凶が出てくる確率が30%(※浅草寺からのデータ提供),他所と比較して圧倒的に高いのが特徴だ。
    こうした占いを信じやすい君は凶が出たら、お告げの内容をしっかり読んでから指定の場所に結べ。
    そうすれば凶という悪い結果をなかったことに出来る。

こちらも要チェック

スポット情報

名称 浅草寺
住所 東京都台東区浅草2-3-1
アクセス 各線「浅草駅」から徒歩5分
TEL 03-3842-0181
営業時間 06:00 - 17:00 (※ 10月〜3月は6:30~17:00)
定休日 無休
料金 無料
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