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宗像大社の概要/印象

宗像大社は、宗像三女神の長女・田心姫神を祀る沖ノ島の沖津宮、次女・湍津姫神を祀る大島の中津宮、三女・市杵島姫神を祀る本土側の辺津宮という3つの神社を総称したもので、世界遺産だ。

宗像大社は、宗像神社や厳島神社(※広島にある世界遺産)など、日本各地に約6,200もある宗像三女神を祀る神社の総本宮で、日本神話にも登場する日本最古の神社でもある。

ちなみに、宗像三女神とは、日本神話の最高神である「天照大神」の娘たちで、交通や武道、茶道などの“あらゆる道”を司る霊験あらたかな神様だ。

 

宗像大社は2017年に世界遺産に登録されているが、それは主に古代より御神体として信仰され、祭祀遺跡が膨大な数の奉献品とともに良好な状態で残されてきた沖ノ島のおかげだ。

祭祀遺跡や奉献品は、500年間に及ぶ対外交流と自然崇拝に基づく信仰の歴史を知ることができる貴重な資料として世界遺産の評価機関であるUNESCOにも高く評価された。

その他、縄文時代(BC14,000〜BC1,000)から弥生時代(BC1,000〜AD250)に渡る貴重な石器や土器などの出土品が数多く見つかっており、ユーラシア大陸や朝鮮半島から伝わった多数の品々も含め、沖ノ島の“お宝”約8万点は、日本の古代史を解き明かす貴重な史料として全て国宝に指定されている。

 

以下で宗像大社の歴史を少し記す。

神が宿ると信じられていた沖島では、4世紀後半から9世紀末まで国家の安寧などを祈る大規模な祭祀が行われ、その後宗像大社でも祭祀が行われるようになった。

宗像大社は、日本の歴代朝廷との結びつきも強くかつ尊重されており、現在に至るまで千数百年間も繁栄を続けている。

戦国時代には、近隣の大名同士の戦争に巻き込まれ、たびたび放火・破壊されたりしたが、その都度朝廷や武家の手厚い支援により再建された。

第二次世界大戦後には一時荒廃していたが、この時も地元出身の偉大な実業家、出光佐三(1885〜1981年)の寄進により復興した。

お勧め・特筆事項

お参りしたり、博物館で非常に貴重な文化財を見たりしてくれ。

基本、それ以外にやることはないが、タイミングさえ合えばお祭りを体験してみてくれ。

毎年8月7日に開催される「七夕祭」と10月1日に開催される「みあれ祭」は、歴史がある素晴らしい祭りだ。

なお、世界遺産の構成要素である中津宮と沖津宮遙拝所がある大島へは、フェリーが1日7便しかないので、行くと半日以上かかってしまう。

よほど神社や歴史が好きでなければ訪れる必要がないだろう。

宗像大社へのアクセス

JR鹿児島本線「東郷駅」から西鉄バス1系統か1-2系統に乗車、「宗像大社前」バス停下車、徒歩2分。
所要時間は約15分。※1時間に1〜2本程度

宗像大社

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観光(参拝)

辺津宮

世界文化遺産の構成資産の一つで、宗像三女神の三女、市杵島姫神が祀られている。

年間約1,800,000人の参拝客が訪れるほどの人気スポットだ。

主な見どころを順路に従って、以下で記す。

本殿+拝殿

流麗かつ美しい柿葺(こけらぶき)の屋根をもつ五間社流造が特徴的な建物だ。

本殿や拝殿などの社殿は、12世紀までには築かれていたが、その後戦乱などによって数度も焼失してしまう。

本殿は1578年に大宮司・宗像氏貞によって再建され、拝殿は1590年に有力な大名だった小早川隆景(1533〜1597年)によって再建されて現在に至る。

なお、本殿の右奥に高宮祭場にいたる参道がある。

周囲を木々に囲まれた階段を約10分昇ると高宮祭場に到着する。

高宮祭場

高宮祭場は、宗像三女神が降臨したと伝えられる場所で、辺津宮の中で一番神聖とされる。

全国でも数少ない“社殿がない”という古代の形式を残した祭場だ。

※広場のようなところが柵で囲まれていて、中にあるのは石を並べた四角い空間と木だけなので、見て面白いかどうかは微妙だが、神秘的で厳かな空気が漂っており、 “パワースポット”としても有名だ。

かつてはここ高宮祭場でも沖ノ島と同様の祭祀が行われていた。

現在でも毎月1日と15日の11時30分から「月次祭」が行われており、君のような旅行客も見学することが出来る。(※祭祀を撮影することは出来ない)

なお、高宮祭場から本殿に戻る途中にある分岐点を左折すると、本殿の後ろ側にある第二宮・第三宮に至る。

第二宮第三宮

第二宮には宗像三女神の長女の田心姫神が、第三宮には次女の湍津姫神が祀られている。

第二宮・第三宮の社殿は、元々は、日本で一番権威のある神社である伊勢神宮・の古殿だった建物だ。

1973年、宗像大社に特別に下賜され、移築・再建されて第二宮・第三宮の社殿となった。

観光(国宝/博物館)

1954年から1971年にかけて沖ノ島の発掘調査が3度行われ、4世紀から9世紀までの祭祀遺跡が22箇所発見され、そして膨大な数の奉献品が出土した。

その他、縄文時代(BC14,000〜BC1,000)と弥生時代(BC1,000〜AD250)の貴重な石器や土器などの出土品も数多く見つかっている。

これら約100,000点にのぼる貴重な遺物のうち、約80,000点が国宝に指定されており、後述する「神宝館」に収蔵されている。

※なお、発掘調査されたのは祭祀遺跡全体の30%に過ぎず、まだ多くは手付かずの状態で残っている。

※この発掘調査にも前述した偉大な実業家である出光佐三(1885〜1981年)が多大な金銭的支援を行なっている。

神宝館

辺津宮の本殿の横にある博物館。

島で出土した国宝約80,000点のうち一部を入れ替えながら展示している。

収蔵されているのは、銅鏡、勾玉や金製の指輪などの装身具、武器、工具、土器、貝製品など多種多様のお宝だ。

国宝はいずれも極めて良好な状態で残っているのが素晴らしい。

以下は代表的なお宝だ。

金製指輪

花文様と円文の細やかな装飾が施された純金製の指輪で、新羅から奉納されたもの。

※韓国・慶州にある新羅の王陵からも類似品が多数見つかっている。

三角綠神獸鏡

3世紀頃に魏からもたらされたと考えられる神鏡。

神話に登場する神仙や霊獣などの模様があしらわれており、縁の断面が三角形をしている。

金銅製龍頭

天蓋や幡を吊り下げる金銅製の飾り金具で、龍の頭をかたどっている。

カットガラス

ササン朝ペルシア(226〜651年)で作られたガラス製の椀の破片。

学術的に極めて貴重な資料だ。

神宝館

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観光(島)

大島

九州本土から約6.5kmの海上に位置した島で、世界遺産の構成要素である宗像大社中津宮と宗像大社沖津宮遙拝所がある。

大島へは、JR・鹿児島本線「東郷駅」から西鉄バス1系統か1-2系統に乗車し、「神湊波止場」バス停下車。

所要時間は約20分。

その後、「神湊港」からフェリーに乗り、「大島港」で下船。

所要時間は15〜25分。

※「神湊波止場」までのバスは1時間に1〜2本程度

※「神湊港」から大島までのフェリーは1日7便

宗像大社中津宮

中津宮には、宗像三女神の次女にあたる湍津姫神が祀られている神社だ。 本土の辺津宮と沖ノ島の沖津宮を結ぶ直線上にある丘の上に位置している。 境内には「天の川」という小さな川が流れていて、その川を挟んで織女神社と牽牛神社があ […]

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宗像大社沖津宮遙拝所

立ち入りが禁止されている沖ノ島を拝するため、18世紀に大島の北端近くに設けられた遙拝所。 海岸に面した斜面の中程に建っており、眼下には雄大な海が広がる。 晴天で、空気の澄んだ日には、水平線上に浮かぶ沖ノ島をはっきり見るこ […]

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宗像市から60キロほどの沖合に浮かぶ周囲4kmの島。

島全体が宗像大社の御神体である“神の島” で世界文化遺産の構成資産の一つ。

残念ながら一般人の上陸は全面禁止されており、絶対行くことは出来ない。

なので、説明してもしょうがないのだが、沖ノ島は世界文化遺産の構成資産の中で一番重要な存在なので以下で簡潔に記す。

沖ノ島の山の中腹には沖津宮の社殿があり、田心姫神が祀られている。

国家の安寧を願う国家的な祭祀が4世紀後半から9世紀末まで行われるなど、古代の日本においては非常に神聖で重要な場所だった。

沖ノ島では、縄文時代(BC14,000〜BC1,000)と弥生時代(BC1,000〜AD250)の貴重な石器や土器などの出土品や、祭祀遺跡が数多く見つかっている。

ユーラシア大陸や朝鮮半島から伝わった多数の品々も含め、出土品約8万点は、日本の古代史を解き明かす貴重な史料として全て国宝に指定されている。

エンターテインメント

祭り

みあれ祭

宗像大社では、毎年10月1日から10月3日まで秋季大祭が行われるが、その初日(10月1日)にあるのが「みあれ祭」だ。

この祭りは、九州の辺津宮に祀られている市杵島姫神が、沖ノ島と大島で祀られている田心姫神と湍津姫神という二人の姉を神湊の頓宮で迎え、三姉妹が1年ぶりに再会するというもの。

田心姫神と湍津姫神の神輿を載せた御座船を囲み、約200艘もの漁船が色とりどりの旗や幟をはためかせながら海原を進んでいく荘厳な海上パレードは圧巻だ!

海の安全と豊漁を祈念するこの祭りの歴史は古く、700年以上にわたって続けられている。

この海上パレードは、出発地の大島港や到着地の神湊港、あるいはその近辺の海岸から見ることが出来る。

海上パレードが大島港を出発するのは9時30分、神湊港に到着するのが大体10時20分だ。

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