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五箇山の概要/印象

五箇山は、富山県の山間部、庄川沿いにあるエリアで、そのうち相倉と菅沼という2つの集落が、近隣の白川郷とともに1995年に世界文化遺産として登録されている。

そして「ミシュラン・グリーンガイド」でも観光地として最高ランクである3つ星が付いている。

※日本全体でも3つ星に選ばれているのはわずか16ヶ所しかない。

このエリアが高く評価されているのは、350〜100年前に建てられた合掌造の家屋が未だに多数良い状態で残っており、集落全体の景観も昔のままに保たれているからだ。
※家屋の多くが現在も宿泊施設やレストラン、資料館として実際に使われている。

 

合掌造とは、世界有数の豪雪地帯であるこのエリア独特の建築様式だ。

具体的には、固定に釘などの金属は一切使わず、丸太を草木から作った縄と木製の楔で組み上げており、茅葺きの屋根は、積もった雪を落とすのに適した傾斜60°ほどの急勾配の形状となっている。

※ちなみに「合掌造」という名称は、屋根の形が掌を合わせた様子に似ていることから付けられた。

かつては、風通しが良く広い屋根裏で養蚕が行われ、土間では和紙が、床下では火薬の原料である塩硝が製造されていた。

 

以下で五箇山の歴史を記す。

約4,000年前から人が住み始めたが、山深い辺鄙な場所であったため、長い間全く発展しなかった。

16世紀に入り、日本に鉄砲が広まると、五箇山は火薬の原料である塩硝の一大生産地となり、にわかに重要な場所となった。

1585年に加賀藩の領地となった後は、塩硝が秘密裏かつ大々的に製造された。

※ちなみに江戸時代(1603〜1868年)の五箇山は、日本最大の塩硝生産地だった。

なお、「軍事機密でもあった塩硝を生産していたこと」「流刑地だったこと」から、村は外界から隔離され、庄川には橋が架けられなかった。

陸路もないため、人や物の対岸との行き来にはロープに吊るした籠を使っていた。

その後、明治時代(1868〜1912年)に入り、日本が開国すると海外から安い硝石が流入するようになって五箇山の塩硝産業は壊滅してしまう。

そして養蚕、和紙などの産業も20世紀に入って衰退したため、五箇山はまた以前のような鄙びた農村に戻った。

1995年に相倉と菅沼という2つの集落が世界文化遺産として登録されると、観光地として脚光を浴びることになり、現在に至る。

なお、近隣に(※車で約30分)同じく合掌造で世界文化遺産に登録されている白川郷がある。

※五箇山は、一大観光地である白川郷と比較すると、よく言えば素朴でのどか、悪く言えば華やかさに欠けている。

金沢や高山などへも車で1時間と比較的近いので、これらの場所は一緒に回ると効率的だ。

お勧め・特筆事項

街歩き/見学、宿泊(合掌造りの宿)、グルメなどを楽しんでくれ。

街歩き/見学に関しては、合掌造の家屋や資料館などが中心となるだろう。

静かでのんびりしたところなので、散策するだけで心が安らぐ。

宿泊は、合掌造の家屋で宿泊施設となっているところが6箇所ある。

グルメは、正直言って大したことはないが、この土地の名物の川魚である岩魚や五箇山豆腐を味わえるレストランがいくつかある。

なお、集落は普通の住民の生活の場なので、「古くて良さそうな家」があっても勝手に敷地内には入らないでくれ。

五箇山へのアクセス/データ

公共交通機関で五箇山に行く場合は、五箇山の各場所にバス停がある「世界遺産バス」を利用するのが良い。

平日は5〜6便、土・日・祝日で9便 大体1〜1.5時間に1便の頻度で運行している。
JR西日本「高岡駅」、北陸新幹線「新高岡駅」、白川郷などから乗車することが出来る。

なお、東京・大阪・名古屋・金沢など主だった都市からのアクセスに関しては下記リンクに詳細が載っているので参考にしてくれ。

それぞれの都市からのアクセスで一番早くて楽なのは、

  1. 東京から
    羽田空港→富山空港は飛行機を利用、富山空港からレンタカーで、所要時間は約2時間
  2. 大阪から
    大阪駅→金沢駅は特急列車・サンダーバードを利用、金沢駅からはレンタカーで、所要時間は約4時間
  3. 名古屋から
    名古屋駅→五箇山はレンタカーを利用、所要時間は約2時間30分
  4. 金沢から
    金沢駅→五箇山はレンタカーを利用、所要時間は約1時間。

五箇山総合案内所

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見どころ/体験場所

五箇山観光のメインとなる相倉と菅沼という2つの合掌造集落は約10km離れており、その他の観光スポットも点在しているので、車がないと見て回るのは難しい。

※「世界遺産バス」を利用するという手もあるが、運行頻度が低いので、不便だ。

以下で五箇山を3つのエリアに分け、近接しているスポットをまとめたので参考にしてくれ。

相倉集落周辺

合掌造

  • 相倉合掌造集落

資料館

  • 相倉民俗館

宿泊施設

  • 与茂四郎
  • 五箇山合掌民宿勇助

菅沼集落

合掌造

  • 菅沼合掌造集落
  • 岩瀬家

資料館

  • 塩硝の館
  • 五箇山民俗館

  

グルメ

  • 五箇山旬菜工房いわな
  • 吾郎平

中間地点

合掌造

  • 村上家

史跡

  • 流刑小屋

観光

合掌造

相倉合掌造集落

南北/約500m・東西/約250mの細長い台地に広がる山間の集落に、約100~350年前に建てられた20棟の合掌造家屋が建ち並んでいる。 駐車場の脇から続く道を5分ほど上った先には、集落を一望できる絶景の展望スポットがあ […]

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菅沼合掌造集落

険しい山々と庄川に囲まれた、南北/約230m・東西/約240mという小さな村で、9棟の合掌造家屋が残っている。 そのうち2棟が江戸時代末期に建てられ、7棟は明治時代(1868〜1912年)以降に建てられている。 ※最も新 […]

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村上家

1660年頃に建築された4階建ての合掌造家屋 約360年前の建築様式を今に伝える貴重な代表的建築物でもある。 建物内部には、塩硝や和紙の製造に関する資料など数千点が展示されている。 囲炉裏を囲んで、薬草のお茶を飲みながら […]

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岩瀬家

約300年前に8年もの歳月をかけて建てられた合掌造家屋。 5階建てで、間口26.4m・奥行12.7m・高さ14mと、近くで見るとかなり迫力がある。 実際、合掌造家屋としては日本最大だ。 五舗山で製造された塩硝を取りまとめ […]

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資料館

相倉民俗館

築150年の合掌造りの民家が資料館になっており、内部では、五箇山の江戸時代の農具や生活道具などが展示されている。 屋根裏部屋では、合掌造りの骨組みや内部構造を間近に見学出来る。

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塩硝の館

江戸時代(1603〜1868年)の五箇山の主力産業であった塩硝製造の工程などを説明する資料や道具を展示している。 昔の銃である火縄銃を撃つ模擬体験が出来る。

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五箇山民俗館

合掌造の建物を利用した資料館で、昔使われていた食器や衣類などの生活道具約200点が展示されている。

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その他史跡

流刑小屋

江戸時代(1603〜1868年)に罪人たちを幽閉していた小さな茅葺き造りの建物。 1965年に場所を移して復元されている。

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宿泊

文化財とも言える築200〜400年くらいの本物の合掌造りの家に泊まるというのは、中々得難い、素晴らしい経験だ。

そして2食(※夕食と朝食)ついて一人8,500円くらいと価格もリーズナブル。

ただし、合掌造りの家に宿泊する場合、以下のようなデメリットもある。

予約

  1. 宿泊希望者が多いのに、どの宿も客室数が数部屋と小さいので、繁忙期には中々予約が取れない。
  2. 国際的なOTA(=online travel agency)のサイトに載ってないところも多い。
    これは、「オンラインで、多言語で予約することが出来ない」ことを意味する。
    よって日本語のサイト経由か、宿に直接電話をかけて日本語で予約する必要がある。

食事

  1. 他の宿泊客と一緒に同じ時間(だいたい夕食は18時ごろ、朝食は7時ごろ)に食べないといけない。

部屋と備品

  1. 隣の部屋との間の仕切りが、襖など、あまり防音効果がないものなので、音が響く
  2. アメニティ(浴衣や歯ブラシ、バスタオルなど)が用意されてないので持参した方が良い。

共用設備

  1. 風呂やトイレ、洗面所は共用の宿がほとんど。

民宿

与茂四郎

築200年以上の合掌造りの建物を利用した宿泊施設で、相倉合掌集落の中心部にある。 気さくなオーナー夫婦が運営しており、アットホームな雰囲気だ。 オーナーの奥さんが作る岩魚や山菜を使った料理を、宿泊者が揃って囲炉裏を囲んで […]

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五箇山合掌民宿勇助

五箇山の相倉集落で最も大きな合掌造りの建物を利用した宿泊施設。 一日一組限定なので、ゆっくりとくつろぐことが出来る。 オーナーの奥さんが作る料理は美味しいと評判だ。 なお、10~15時は宿泊者以外でも館内を見学することが […]

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グルメ

五箇山旬菜工房いわな

岩魚料理がメインの和食店だ。 店内の生簀の中には、五箇山の冷たい清流で育った岩魚が常時泳いでおり、調理のたびに生きた状態で取り出すので、料理は新鮮そのものだ。 「岩魚の握り寿司」や「岩魚の塩焼」は是非トライして欲しい逸品 […]

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吾郎平

合掌造り家屋の和食レストラン。 堅くて大豆の旨味が凝縮された豆腐である、この土地の名物「五箇山豆腐を、朴葉味噌焼や、刺身、揚げ出し豆腐など多彩な料理で楽しめる御膳が人気だ。

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