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金沢21世紀美術館の概要/印象

金沢21世紀美術館は、2004年に金沢市の中心部にオープンしたモダンアートの美術館で、今では年間250万人以上(日本最多!)が訪れる大人気のスポットとなっている。

明るく開放的で、コンセプトは“街に開かれた公園のような美術館”。

無料の「交流ゾーン」と有料の「展覧会ゾーン」で構成されており、自分が作品の一部になったかように楽しめる体感型の展示が多いのが特徴だ。

ちなみに、金沢21世紀美術館の作品収集の方針は、

  1. 1980年代以降に制作された、新しい価値観を提案するような作品
  2. 1900年以降に制作された、歴史的参照点となるような作品
  3. 金沢にゆかりのある作家による、新たな創造性に富む作品

となっている。

「21世紀美術館」という名前なのに、チケット売り場は人力が中心で、“19世紀的”だ。

入場客に説明の紙を渡して読んでもらえば済むようなちょっとした内容を口頭で行なうという、“ハイテク国家 日本”とは思えないローテクな運営を行なっている。

そのため入場するまでかなり待たされる。

オブジェがたくさんあって結構楽しめる交流ゾーンは、無料かつ待つ必要がないので、時間とお金のない君はそこだけ行くのも良いかもしれない。

そして長らく並んで入場した館内には、恐らく99%以上の人が聞いたこともない現代アートの作家の作品が並んでいる。

※その世界では有名なのであろうが。

かなりアバンギャルドな作品の数々なので、君に“アート心”がないと理解できないだろう。

多くのお客たちはこのアート作品たちの良さを理解できず、困って薄ら笑いを浮かべたり、呆然と立ちつくしたりしている。

※実際、「これのどこが芸術なんだ!」と憤慨していたじじいを見かけたことがある。

作品よりも客の反応や表情を見る方が面白いかもしれない。

 

と「金沢21世紀美術館」に批判的なことを数多く書き連ねたが、「見て、触れて、体験できるアート」というコンセプトなので、大人から子どもまで楽しむことが出来、無料で入れる範囲が広いため気軽にアートに親しむことが出来る点は、非常に素晴らしい。

 

なお、金沢21世紀美術館は金沢城公園からは徒歩3分、兼六園からは徒歩5分、長町武家屋敷跡からは徒歩10分の距離にあるので、これら施設と一緒に回ると効率的だ。

お勧め・特筆事項

基本、美術鑑賞しかすることはない。

アートに触れ、わかったような顔をしてうなずいたり、腕を組んで鑑賞したりしてくれ。

写真撮影

特徴的な展示物が多い金沢21世紀美術館は、ウェディング・フォトのロケーションにもよく選ばれるほどフォトジェニックだ。

たくさん写真を撮ってSNSにUPすると良いだろう。

君がアートにも興味がある知的な人物であることを友人や知人にアピール出来る。

交流ゾーン

「交流ゾーン」は無料で6つの作品が自由に鑑賞でき、さらに夜22時までオープンしているので、お金を払うのが大嫌いな君や、(多少はアートに興味はあるが)日中は他の場所の観光に忙しくて時間がない君には大いにお勧め出来る。

混雑を避ける

人気の展示物「スイミング・プール」や、一部の企画展などは、入場までに1~2時間程度の待ち時間が発生することが多い。

まず、土日祝日は避けた方が良い。

あと1日の中では、来館者が最も多い時間帯は、10時から13時までの間。

16時以降(※夜間開館のある金・土は18~20時)だと、人がだいぶ少なくなるのでお勧めだ。

割引特典

なお、金沢21世紀美術館は周辺の商店街と提携しており、多くのショップで観覧券の半券を見せると、飲食や買い物が割引になる。

金沢21世紀美術館へのアクセス/データ

金沢21世紀美術館

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アクセス

バス

金沢21世紀美術館には、バスでアクセスするのが一般的だ。

金沢駅(東口)のバスターミナルから、ほとんどの「北陸鉄道バス」、あるいは全ての「城下まち金沢周遊バス」、「兼六園シャトルバス」、「まちバス」を使って10〜15分くらいで行くことが出来る。
※「まちバス」は土・日・祝日のみ運行

  1. 広坂21世紀美術館:③・⑦乗り場から出る全てのバスが停車する(※快速バスを除く)。
    下車すぐ。
  2. 香林坊:③・⑧〜⑩乗り場から出る全てのバスが停車する。 徒歩5分
  3. 金沢21世紀美術館・兼六園:5番乗り場からまちバス(土・日・祝日のみ運行)に乗車、下車すぐ。

タクシー

金沢駅から金沢城公園までは約2.5kmの距離で、タクシーだと10分、1,200円くらいで着くので、複数名で訪れる場合は利用した方が時間の節約になる。

美術鑑賞・体験

以下で代表的な作品をいくつか挙げる。

建物

金沢21世紀美術館は、“建築のノーベル賞”と言われるプリツカー賞の受賞歴を持つ建築ユニット、「SANAA」の妹島和世と西沢立衛によって設計された。

地上1階、地下1階建てで直径113mのUFOのような円形の建物は、どこから見ても正面に見えるという不思議な構造だ。

全面ガラス張りで光が差し込むために内部も明るく開放的。

建物自体もアートだと言える。

スイミング・プール(The Swimming Pool)

作者:レアンドロ·エルリッヒ(Leandro ERLICH)/2004年

場所:交流ゾーン・展覧会ゾーン(有料)

「光庭」の床下に設置されたプール型の作品で、「金沢21世紀美術館」の中で最も有名で人気が高い作品だ。

上からのぞけば普通のプールに見えるが、実はその下は人が入れる水色の空間が広がっており、水中を人が歩いているように見える。

逆に下から上を見上げれば、光を反射しながらキラキラとゆらめく水面が美しく幻想的で、まるで自分が水の中にいるような不思議な感覚を楽しめる。

※以前は地上部分には無料で入ることが出来たが、今はいずれかの主催展チケット(有料)が必要となった。

アリーナのための クランクフェルト・ ナンバー3(Klangfeld Nr.3 für Alina)

作者: Florian CLAAR/2004年

場所:交流ゾーン(無料)

屋外の芝生の上にチューバ状の管が12個(6組)点在している。

※管は地中を通して別の管につながれている。

一方で発した音や声が管を伝わってもう一方から聞こえるという、糸電話を連想させる作品。 二人以上で楽しむのがお勧めだ。

ラッピング(Wrapping)

作者: LAR / Fernando ROMERO/2005年

場所:交流ゾーン(無料)

ステンレススチールのパイプで組んだジャングルジムのような構造物で、金網でラッピングされて、屋外の芝生の上に置かれている。

3方向にある階段から、中に入ることも出来る。

ブルー・プラネット・スカイ(Blue Planet Sky)

作者: James TURRELL/2004年

場所:交流ゾーン(無料)

作者の「光をどのように感じるか」という問いかけが込められている作品。

部屋の壁や床には余計な装飾が一切なく、天井・中央部分の正方形に切り取られた空がまるで一枚の絵画のように感じられる。

なお、季節や時間帯によって空は色々な表情を見せる。

※夕暮れどきには照明が灯り、空がより青く見えるようになっている。

雲を測る男(The Man Who Measures the Clouds)

作者: Jan FABRE/1998年

場所:交流ゾーン(無料)

両手でものさしを掲げ、空に浮かぶ雲を測っているように見える金色の男の像で、美術館の屋上部分に配置されている。

独房で鳥類学者となった実在の人物を描いたアメリ力映画「Birdman of Alcatraz」の主人公の台詞である「雲でも測って過ごすさ」から着想を得た作品。

カラー・アクティヴィティ・ハウス(Colour activity house)

作者: Olafur ELIASSON/2010年

場所:交流ゾーン(無料)

色の三原色であるシアン、マゼンタ、イエローの半円形をしたガラスが、渦を巻くように重なって立つ屋外の展示作品。

中に入っていくとガラスの色の重なりや日の差し込む方向によって、外の景色や人も様々な色に染まって変化するのが面白い。

緑の橋(Green Bridge)

作者: Patrick BLANC/2004年

場所:交流ゾーン(無料)

石川県の山や森などで採取された約100種類の植物が、縦5m×横13mの巨大な壁の両面に植えられ、ガラスの廊下を覆っている。

自然の豊かさと美しさを間近に感じることが出来る作品。

四季を通じて緑に包まれるように絶妙な計算とバランスで植物が配置されているのが凄い。

あなたは自分を再生する(You Renew You)

作者:ピピロッティ・リスト(Pipilotti RIST)/2004年

場所:展覧会ゾーン(有料)

館内の男子トイレと女子トイレに1カ所ずつある作品。

クリスタルと美術館をモデルにしたオブジェが中に入った30cm四方の祭壇が、洗面台の側に設置されている。

そのオブジェには、飲食物が体内で血液や涙、組織になる様子のイメージ映像や排泄物への感謝の言葉が投影されている。

L’Origine du monde

作者: Anish KAPOOR/2004年

場所:展覧会ゾーン(有料)

薄暗い展示室に入ると、傾斜したコンクリートの壁面に巨大な黒い楕円が見える。

その黒い面は平らにも、盛り上がっているようにも、さらに窪んでいるようにも見え、どの角度から見てもまったく実態が分からない。

視覚・知覚ともに揺さぶられる不思議な感覚に包まれてしまう。

シンプルな作品だが、奥深く、哲学的。

グルメ

Fusion21

金沢21世紀美術館の東エントランス近くにある、白を基調としたスタイリッシュなカフェレストラン。 ガラス張りの開放的な空間の中、加賀野菜をはじめ、地元食材を取り入れたメニューやスイーツが楽しめる。 特に「フュージョンランチ […]

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